なぜハーバード大学基金や超富裕層はヘッジファンドで運用しているのでしょうか?
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リーマン・ショックのような 「世界同時安の金融危機」でも利益を出せたから
世界の成功者や富裕層が投資をする「ヘッジファンド」は、相場に左右されない「絶対収益」を獲得する為にリスクをコントロールしながら運用することで、金融危機時にも高いパフォーマンスを達成しました。
一般的な投資指南として、マスコミに出る評論家や、個人投資家向けの投資の教科書では「国際分散投資」を第一に勧められます。「リスクを分散させて、日本株や世界株・債券などを組み合わせて、複数のアセットクラス(資産)を持ちましょう」というわけです。庶民にとってはそれ以外に選択肢が無いので、一般紙がこれを推奨することは間違っていません。
しかし、この方法で多大な損失を蒙った個人投資家が多いのが現実です。「国際分散投資」とは、概ね、相場に身を任せるだけなので、リーマンショックのような世界的な金融危機が起こると、世界の株式・不動産・コモディティ等、あらゆる資産(アセットクラス)が暴落する現実があります。
具体的には、リーンマンショック時には、世界株式、不動産、金属、原油など軒並み下落しました。国際分散投資は、あらゆる資産が暴落する金融危機時には無力です。そこで、世界の富裕層や成功者は、「世界的な金融危機でも暴落しなかった実績のあるヘッジファンド」に投資することで、次の金融危機に備え自分の財産を守るようになりました。
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写真は、デビット・テッパー氏で、ヘッジファンド年収ランキング(2013年)で2年連続1位になった男です。その年収は3,500億円。資産ではなく、年収という点に注意してください。
同じく2位は、スティーブ・コーエン氏で2,400億円、3位はジョン・ポールソン氏で2,300億円、10位のレイモンド・ダリオ氏の600億円と続きます。
「個人年収3,500億円」のレベルとはどのくらいでしょう?セブン&アイ・ホールディングスの営業利益は3,433億円(2015年3月期)です。東京電力の営業利益が3,165億円(2015年3月期)
1人の個人が、日本最大手のコンビニや、日本最大手の電力会社と同等の利益を稼いでいるわけです。
これらのヘッジファンド・マネージャーが高額の年収を得ている理由は、投資家(お客様)のお金を現実に増やしたその「才能」に対する成果報酬に他なりません。「他人のお金を着実に増やす」という非常に難しい仕事を達成したことによる、正当な対価なのです。
日本に先んじること40年、アメリカ社会のトップエリート(ハーバード大やエール大卒)は金融業界の起業家集団であるヘッジファンド業界に集まり、その中で切磋琢磨しながら運用スキルを磨いてきました。日本で起業や投資分野に集まり出したのはここ10年に過ぎず、日本の金融業界は周回遅れですから、日本人の一般的な感覚ではヘッジファンド業界をなかなか理解できず、単なる怪しい世界に見えるかもしれません。しかし結局のところ、グローバル化した自由な資本主義社会では、このような年収数千億円のヘッジファンド・マネージャーの元や、ヘッジファンド業界の元に、まるで水が自然に流れるように世界中から貴重な情報が集まり、勝ち組は益々勝ち組になっていく現実があります。
日本の個人投資家が、コストを惜しんで、仕事の合間にネットの掲示板情報を元に日本株を売買するのとは、次元が全く異なる世界が存在しています。
世界の富裕層や機関投資家、成功者らは、高い手数料を払ってでも「実績のある本物のプロ」に任すことで、時間を節約しながら、お金を増やすことを合理的に選択しているのです。つまりお金でお金と時間を買い、自分のお金を増やすというわけです。 -
世界の富裕層や年金基金など機関投資家は、ポートフォリオの中に「株や債券と異なる値動きをするアセットクラス」をポートフォリオに入れて、リスクをヘッジ(回避)します。これはノーベル経済学賞を受賞した理論に則り、「ヘッジファンド」を自身のポートフォリオの一部に加えることで、「リスクを抑えながら、リターンを目指す」ことができるからです。そのため、知的で合理的な投資家(機関投資家や富裕層)はこぞってヘッジファンドを買いたがり、世界のヘッジファンドの残高は10年前のおよそ3倍の200兆円規模に拡大、日本の国家予算の倍以上の規模になりました。(2013年、1ドル=100円換算、Barclay-Hedge Dateより)